2011/04/04

-第9号-

A NEW HOPE(新たなる希望を持って)

平成22年度も終わりを告げようとしております。その終盤に東北・関東地方を襲った未曾有の大震災では、多くの方の尊い命と、取り返すことのできない資産、そしてかけがえのない想い出が、無残かつ無情にも流されてしまい、世界中の人々が、深い悲しみにつつまれた大事件となりました。ここに被災に遭われた皆様へ哀悼の意を表すると共に、一日でも早い復興を、心よりご祈念申し上げます。

今回の震災を報道やインターネットを通して、見聞録させていただきました。
地震での家屋の倒壊が少なかったことに対し、過去のデータからも予測できなかった大規模の「つなみ」が一挙に押し寄せ、多くのあらゆるものを海へと呑み込んでしまい、街は原形を留めるに至りませんでした。その一方で、福島の原発の被爆災害を回避するため、多くの人々が、家財や工場や田畑を残したまま退避せざるを得ない状況となっており、その避難生活は、かなりの長期化が予測されます。

一方では「形」を無くして戻ることができず、他方では「形」が在りながらも戻ることができない姿を目の当たりにして、「色即是空―諸行無常」の世を痛切に感じました。 私は、今回の大震災において、世界中の人々が「価値観」を見直すターニングポイントである気がいたします。普段あたりまえのように過ごしてしまった生き方の中で、多くの人々が電気や水、あるいは購買(流通)の不自由さを再認識したことで、あらゆるものの係わり合いの中で、生活が営まれることを痛感した筈です。奇しくも震災1週間前の同窓会入会式の折、卒業生に対して「君達の学費や携帯や遊具の経費は、親の家業があってこそ。その対価の給与は会社や社長からでなく、お客様からの恩恵によるもの。全ては繋がっている」と述べさせていただきました。人の痛みを自分の痛みとし、生徒諸君が生かされていることへの感謝と新たなる希望を持って、次のステージ(大学、就労)に羽ばたくことを切望しつつメッセージを述べさせていただきました。

そして今回の震災をきっかけに、世界の人々が、日本が過去に行ってきた国際的人道支援を再認識しただけでなく、日本人の思いやりと礼節さと不屈の精神に敬服し、多くの国は支援の輪を広げていただいております。先月号のさくら通信で記載しましたが、これこそが、日本古来より大事にしてきた「文化」の骨頂であり「和を以て、貴しと為す」の理念は、これからの世界の価値観の真髄に位置するものと確信いたしました。私も日本文化の素晴らしさを継承しつつ、発信に尽力して参ります。

また、今回の震災の影響で浦安市を襲った液状化現象は、母校にも被害をもたらしました。(当Webサイト参照)一刻も早い復旧を願い、会員諸兄が預かりました大切な会費より同窓会から100万円を寄付することとなりました。
ご理解を賜りつつ、本紙を借りましてご報告させていただきます。

平成23年3月31日
東海大学付属浦安高等学校
第5代同窓会長 青山真士

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